性格診断は、候補者の価値観・行動傾向・ストレス耐性などを短時間で可視化し、面接だけでは把握しにくい内面を客観的指標として補完する手法です。国内外ではMBTIや16パーソナリティ、HEXACOなどが実務で活用されており、早期離職の抑制やオンボーディング施策に役立つ点が評価されています。
SPIは能力+性格を総合測定できる網羅型テストですが、Webテスティング方式でも65分を要し、応募者の負担が大きい点が課題です。また、言語・非言語・英語・構造的把握力など多様な設問が含まれ、面接官が採用に直結させるには解釈スキルが必要になります。
SPIは学力測定色が強く職務に必須かどうかが曖昧な科目もあるため、スクリーニング用途で導入すると応募者離脱を招くことがあります。特に予約調整やテストセンター受検の手間はエントリー率を下げる要因になり得ます。
10〜20分で終了する性格診断ツールを併用すると、候補者の心理的負担を軽減しつつ価値観の一致やストレス耐性などSPIでは深掘りしにくい領域を把握できます。レポートは図表中心で読みやすく、面接質問を作りやすいのも特長です。
性格診断ツールの最大のメリットは、面接だけでは把握しづらい「働くうえでの行動特性」や「ストレス耐性」を定量的に示し、配属後の早期離職を未然に防げる点です。診断データを既存社員の活躍データと照合すれば、自社カルチャーとの適合度を数値化でき、入社後のオンボーディングや配置決定にも活用できます。さらに、メンタルヘルス面での脆弱性が高い候補者を早期に発見し、フォロー体制を整えることで、企業側の健康経営リスクを抑えられます。短時間で結果が出るツールを用いれば、選考スピードを落とさずにこうしたインサイトを得られるため、採用担当者の負荷軽減にもつながります。
一方で、診断結果は統計的な傾向値にすぎず、個々の経験や学習で変化する余地があります。スコアが低いからといって即不採用とするのは、優秀な人材を取り逃すリスクを高めます。また、性格・メンタルに関する情報はJIS Q 15001で「機微な個人情報」とされており、結果の取り扱いには厳格なプライバシー配慮が必要です。質問設計やフィードバック方法を誤ると、応募者に「人格を査定された」という抵抗感を与え、企業イメージを損なうおそれもあります。したがって、診断はあくまで面接・経歴情報を補完する参考データと位置づけ、説明責任と同意取得を徹底することが欠かせません。
検査の信頼性・妥当性、運用サポート体制、受検時間とモバイル対応、料金体系を比較。候補者体験を損なわないためには20分以内で完了するツールが望ましいとされます。
性格診断で取得するデータは個人情報保護法上要配慮個人情報と見なされる可能性があります。利用目的の明示、不要データの削除、第三者提供の制限を含む社内ガイドライン整備が必須です。
このPDCAサイクルを回すことで、診断精度と定着率の改善効果を検証できます。
書類選考後〜一次面接前に実施すると歩留まりに影響しにくく、面接で深掘りすべき項目を事前に把握できます。
スコアは絶対値ではなく自社ハイパフォーマーとの相対比較で判断し、面接では低スコア領域を行動事例で確認します。
診断結果の特性ごとに行動質問STAR法を設計し、候補者自身の気づきを促す面接を行うと、内定後の受容度も高まります。
オンボーディング計画に診断結果で示されたモチベーション要因を反映し、1on1面談の質問項目をパーソナライズすることで早期戦力化を図れます。
採用改善を目的にツールを導入する際は、次の3点を必ず確認します。
SPIは能力と性格を総合測定できる一方、検査時間が約60分と長めで結果の解釈も難度高め。面接数を絞り込む目的なら、上記ツールと並行利用し、SPIは最終選考の裏付けに活用する方法が現実的です。
採用担当者が性格診断ツールを選ぶ際は、受検時間やコストだけでなく、測定特性の粒度やレポートの読みやすさ、社内システムとの連携容易性など多角的な要素を総合評価する必要があります。本項では、クラウド型で導入ハードルが低く、一定の導入実績があるサービスを厳選し、受検時間と費用のバランス、結果レポートのフィードバック速度、分析項目の網羅性を比較しながら紹介します。各ツールの特色を把握し、自社の採用規模や職種構成に最適な選択ができるよう活用してください。
※選出基準:2025年6月26日時点でGoogleにて「適性検査 性格診断 採用 ツール」と検索した際に表示された公式サイトに掲載されているツールから選出。 「公式サイトに導入実績が明記されている」「回答時間が30分以内」に当てはまるツールを掲載しています。
約10分で受検でき、ストレス耐性とメンタルヘルス指標を同時に可視化できるクラウド型適性検査。判定レポートは受検直後にダウンロードでき、面接官や現場管理職と共有しやすい。料金は基本契約料50,000円に加え従量課金制で、1~30名 4,000円/名、31~100名 3,500円/名、100名超 3,000円/名(税別)。大規模受検ほどコストを抑えやすい。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 実施時間 | 約10分 |
| 料金 |
基本契約料 50,000円+受検料 1-30名 4,000円/名、31-100名 3,500円/名、100名~ 3,000円/名(各税別) |
資質診断と基礎能力診断を合わせて約10分で完了。社内の活躍社員データとAIが照合し、候補者との類似度スコアを提示する。診断回数が無制限の月額サブスクリプション方式で、従業員30名以下は月10,000円。スタンダードは月30,000円から、大規模企業向けカスタムプランもあり、初期費用は不要。段階的に利用範囲を拡大しやすい。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 実施時間 | 約10分(資質+基礎能力を合わせた目安) |
| 料金 |
月額サブスク型で診断無制限 スモールプラン 1万円/月(従業員30名以下) スタンダード 3万円/月~、大規模は別途見積もり(いずれも初期費用なし) |
約20分(質問15分+図形課題5分)の検査で、性格・価値観・職務志向性を一度に測定。初期設定費10,000円と受検料3,500円/名(税別)のシンプルな料金体系で更新料は不要。結果レポートには面接質問例が付属し、そのまま選考フローに組み込める実務性がある。スマホ受検にも対応しており、候補者の負担が少ない。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 実施時間 | 約20分(質問15分+図形5分) |
| 料金 | 受検料 3,500円/名+初期設定費 10,000円(更新料なし・税別) |
職場適応性とストレス耐性を測定するオンライン検査で受検時間は約20分。標準プランは1名3,850円(税込)で少人数採用にも導入しやすい。大量受検プランは導入費550,000円(税込)と1名2,750円(税込)で割安になる。結果は4象限チャートで表示され、配属やフォローアップ方針の検討に活用しやすい。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 主な目的 | 職場適応性 |
| 実施時間 | 約20分 |
| 料金(標準) | 2,750円/名(税込) |
| 大量受検プラン | 1,650円/名+導入費 550,000円(税込) |
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 主な目的 | ストレス耐性 |
| 実施時間 | 約10分 |
| 料金(標準) | 1,650円/名(税込) |
| 大量受検プラン | 1,100円/名+導入費 550,000円(税込) |
※料金や仕様は2025年6月時点の公開情報を基にまとめています。最新の詳細は必ず各社へご確認ください。
性格診断ツールは、面接だけでは把握しづらい候補者の価値観やストレス耐性を約10~20分で定量化し、早期離職抑制やオンボーディング強化に役立ちます。SPIは網羅型かつ長時間で負担が大きいため、簡易性と可視性に優れる性格診断を併用すると候補者体験を損なわずに深い洞察が得られます。導入時は結果を過信せず面接・経歴情報と併用し、プライバシー保護と同意取得を徹底することが必須です。選定ポイントは信頼性・妥当性、受検時間(20分以内推奨)、運用サポート、料金体系のバランスです。実装は「目的設定→パイロット受検→本番導入→PDCA」で回し、書類選考後~一次面接前のタイミングで実施すると効果的です。
それぞれの採用フェーズごとに活用しやすい特色を持ったおすすめの採用向け適性検査ツールを3つ紹介します。
2024年3月30日時点でGoogleにて「適性検査ツール」と検索した際に表示された公式サイトに掲載されている48ツールから選出。「採用に特化している」「公式サイトに導入実績が明記されている」「回答時間が30分以内」に当てはまる中から、それぞれ特色を持ったツールをおすすめとして掲載しています。

国内約8,000社、国外約1,000社
※2024年3月時点の実績
回答時間:約10分
受検者本来の行動的特徴と性格の本質を把握できるHCi-ASは、適性検査が当たっていないと感じる企業におすすめです。面接で見抜きにくいメンタル適性のチェックも可能。受検後すぐに報告書が確認できるスピード感も魅力です。

約32,000社
※2024年3月時点の実績
回答時間:約30分
面接の前に定着しない・成長しない・頑張らない人材を見分ける検査が可能な不適性検査スカウターです。問題となる特性を事前に発見し、面接の工数削減の他、人材採用の失敗を減らします。
約2,500社以上
※2023年11月時点の実績
回答時間:約30分
ミキワメは現在社内で活躍する社員の性格データを基に、候補者の採用おすすめ度を表示してくれる適性検査のツールです。従業員の誰に似ているかだけでなく各部署との相性もわかります。
【選定条件】
「採用に特化している」「公式サイトに導入実績が明記されている」「回答時間が30分以内」という条件に当てはまる中で、以下のものを選出しました。
・「HCi-AS」…上記条件の内、唯一の性格・メンタル診断特化ツール
・「不適性検査スカウター」…上記条件の内、唯一の不適性検査ツール
・「ミキワメ」…上記条件の内、唯一現職社員との比較が可能なツール